おれはオレンジャー!
恋に落ちたとき
人はまるで魔法を
かけられたかのようになる
相手の声がメロディーに聞こえ
仕草がダンスに見え
普通のLINEひとつで心が宙に舞う
でも、そのときあなたが見ているのは
相手そのものではなく
自分の中で描いた「理想の絵」かもしれない

いわば、恋とは
心の中で上映されるロマンス映画
主演はもちろん
「あなたのイメージの中のその人」
脚本・監督・演出・編集
すべてあなた自身
相手はほとんどセリフを与えられず
ただ「こうあってほしい」役を
演じるよう求められている
ところが
この映画と現実の間に
ある日ズレが生じる
「こんな人だと思ってたのに」
「どうしてそんなことするの?」
…そう、それはフィルターが外れ始めたサイン
舞台の照明が落ち、カメラが引いて
メイクも衣装も剥がれ
等身大の相手がそこに現れます
この瞬間、人はよくこう言う
「気持ちが冷めた」と
でも、実は「冷めた」のではなく
「醒めた」んだよ
夢から、幻想から、目が覚めただけ
覚めたことで
本当の愛のスタート地点に
やっと立ったとも言える
本物のパートナーシップとは
「自分が描いた理想像」ではなく
「今ここにいる相手」と出会い直すこと
理想を捨てるのではなく
幻想をほどき、リアルに触れること
それは、完璧じゃない相手を愛する旅であり
同時に、自分の不完全さを許す旅でもある
例えば、相手が不機嫌な日もある
返事が遅いときもある
価値観がズレることもある
でも、それは「イメージ通りじゃない」だけで
「ダメな人」ではないんだ
むしろ、そのズレこそが
自分の器を広げ、愛を深くするチャンスなんだよ
幻想の中では、相手はいつも優しく
話を聞いてくれ、同じ価値観で
ぴったり波長が合う
でも現実では
違いだらけの相手と
毎日少しずつ関係を育てていく
それは決して劣化版の愛ではなく
幻想を超えた本物の愛のかたちだよ
あなたの心にいる「理想の恋人」を
愛するのはたやすい
でも「今日ちょっと機嫌の悪い恋人」を
そのまま丸ごと愛せるか
そこに、愛の真価が問われている
恋はイメージから始まるけれど
愛は現実の観察から育っていく
相手を知ろうとするまなざし
自分の期待に気づく謙虚さ
そしてフィルターを外す勇気
それらが重なったとき
幻想よりもずっと美しい
等身大の愛が立ち上がってくる
自分の映画館のスクリーンを少しだけ閉じて
目の前のパートナーを「観る」ことから
始めてみませんか
それが、幻想を愛する恋から
現実を愛するパートナーシップへの
はじめの一歩になるはずだよ
今日はこんなところだ
じや!

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