世界の果てのカフェ

おれはオレンジャー!

ある日
男は走り続けていた

仕事
予定
責任
期待

止まらない毎日
止まれない自分

ちゃんと生きているはずなのに
なぜか胸の奥に
すきま風がふいている

休暇の途中
道に迷い
たどり着いたのは
地図にものっていない
小さなカフェ

腹が減ったから
喉が渇いたから
ただ
それだけの理由で
立ち寄った

だがそこは
人生が立ち止まる場所だった

メニューの裏に
三つの問いが
書かれていた

「あなたはなぜここにいるのか?」

「あなたは死を恐れるか?」

「あなたは満たされているか?」

男は笑おうとした
冗談だろうと
流そうとした

だが心は
ごまかせなかった

「なぜ、ここにいるのか」

生きるため?
働くため?
評価されるため?

それとも
ただ流されて
ここに来ただけなのか

「死を恐れるか」

明日が
当たり前だと
思っているから
今日を
雑に扱っていないか

「いつかやる」
「そのうち考える」

そのいつかは
本当に来るのか

「満たされているか」

忙しさで埋めた心は
本当に満たされているのか

それとも
聞こえないふりを
しているだけなのか




カフェで出会う人々は
答えを押しつけない

ただ語る

人生は
「目的地」ではなく
「方向」だと

どれだけ
速く進んでも
向きが違えば
望む場所には
たどり着かないと


人は
やりたいことを
失うのではない

思い出すのを
やめただけだ

子どものころ
夢中になったこと
時間を忘れた瞬間
理由なんて
いらなかった喜び

それは
今も胸の奥に
残っている

人生は
一気に変えなくていい

仕事を
投げ出さなくていい

すべてを
壊さなくていい

ただ
問いを
持ち帰ればいい


「おれは、なぜここにいる?」

「この生き方で満たされているか?」


この問いは
あなたのコンパスになる

迷ったとき
立ち止まったとき
選択に迫られたとき

静かに指し示す
「こっちだ」と



男は
カフェを出る

世界は
変わっていない

だが
見ている
目が変わった

走るためではなく
生きるために

成功するためではなく
納得するために


世界の果てのカフェは
特別な場所じゃない

問いを持った瞬間

そのカフェは
もうあなたの中に
現れている

人生は
答えでできていない

問いでできている


今日はこんなところだ
じや!

合格

<今日のショートストーリー>

先送りマシン

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次