告白のイヤホン
放課後の図書室。
憧れの先輩に、
片方のイヤホンを渡された。
「これ、私が作った曲。聴いてみて」
ワイヤレスイヤホンから流れてきたのは、
メロディではなく、女の声だった。
『好き。大好き。ずっと見てるよ。
右の靴箱、三番目。昨日は18時に帰ったよね』
それは、僕のストーカーが残した音声ログだった。
驚いて先輩を見ると、彼女は冷たい無表情で僕の首筋に触れた。
「ねえ、私の声、録音だと少し低く聞こえるよね?」
イヤホンから流れる声と
耳元で囁かれる声が
完璧に重なった。
(完)


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