-秘密の共犯者-
私は、愛する彼を「騙す」ことに決めた。
数ヶ月前から緻密な計画を練り、協力者を集め、
彼のアリバイを完璧に崩すための工作を続けてきた。
ターゲットは、彼の誕生日の夜。
「仕事で遅くなる」と嘘をつき、
私は暗い部屋で彼が帰宅するのを待ち構えた。
ガチャリ、とドアが開く音。
彼が部屋に入り、電気をつけた瞬間、
私は「凶器」を突きつけた。
「動かないで!」
彼は目を見開き、両手を挙げた。
私の後ろには、黒い服を着た数人の男たちが立っている。
「……降参だ。君には敵わないな」
彼が苦笑いした直後、男たちが一斉にクラッカーを鳴らした。
「お誕生日おめでとう!」
男たちは彼の親友たちだ。
私が数ヶ月かけて彼らに連絡を取り、彼に内緒で集まってもらったのだ。
「ミステリー作家の僕を、こんなに見事にハメるなんて。……最高のプレゼントだよ」
彼は私を抱き寄せ、耳元で「愛してる」と囁いた。
(完)


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