星屑のラジオ

-星屑のラジオ-

宇宙貨物船の操縦士である僕は、広大な虚空に飽き飽きしていた。
楽しみは、骨董品屋で買った「超空間ラジオ」を弄ることだ。
このラジオは時折、数光年、あるいは数世紀離れた場所からの、ノイズ混じりの放送を受信する。

ある日、ラジオから小さな女の子の声が聞こえた。

『……パパ、お仕事終わったら、一緒にお月様に行こうね』

それは、僕が何年も前に地球に残してきた、娘の声だった。

「ああ、約束するよ」 僕は返事をする。

その声は、電波となって、過去の地球へ、あるいは未来の誰かへ届くかもしれない。
宇宙という巨大なタイムカプセルの中で、僕は娘の声を聞き、孤独ではないことを知った。

(完)

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