おれはオレンジャー!
今日は土曜日
ヘルマン・ヘッセの
「ことば」をお届けしよう
太陽は私たちに光で話す
かおりと色で花は話す
雲と雪と雨とで大気は話す
世界の聖なる所に
しずめることのできない
衝動が生きていて
事物の沈黙を打ち破って
ことば、身ぶり、色、ひびきなどで
存在の秘密を表白しようとする
そこに
芸術の光る泉が流れる
世界は
ことば、啓示、精神を求めて戦い
人間の口びるから
永遠の経験を明るく告げる
生あるものは
みなことばにあこがれる
私たちの隠微な努力は
ことばと数
色と線と音の中に
あらわれる
そして
意味のいよいよ
高い玉座を築く
花の赤い色と青い色の中へ
詩人のことばの中へと
絶えず始まって
けっして終わることのない
創造の営みが、
内部へ向かう
ことばと音の結びつくところ
歌のひびくところ
芸術の花ひらくところでは
必ず世界の意味
全存在の意味が
新たにかたちづくられる
どの歌も
どの本も
どの絵も
みな示現であり
命の統一を実現しようとする
新しい、千番めの試みである
この統一をきわめるように
詩と音楽は君たちを誘う
万象の多様さを
理解するには
ただ一度鏡に照らして
みることで足りる
私たちの出くわす
混乱したものは
詩の中で明らかに
単純になる
花は笑い
雲は雨を降らす
世界は意味を持ち
無言なものが語る
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あなたの周りにある
様々な「ことば」に
少しだけでもよいから
意識を向けてみよう
今日はこんなところだ
じや!
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