聖徳太子の苦悩
「十人の話を同時に聞く? 無理に決まっているだろう」
厩戸皇子は、現代の教科書を読んで絶句した。
「そもそも、私はそんなに耳が良くない。
聖人君子のように書かれているが、
実際は会議中に居眠りをして
怒られたこともあるんだぞ」
彼は街を歩き、
一万円札(旧紙幣)に描かれた自分の肖像画を見つけた。
「……誰だ、この髭面の男は。
私をもっと美形に描けなかったのか」
挙句の果てに、
現代では「存在しなかった説」まで
浮上していると知り、
彼は静かに冠を直した。
「いっそ存在しなかったことにしてくれ。
ハードルが高すぎて、二度と歴史に出たくない」
(完)


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