完璧なアリバイ

-完璧なアリバイ-

「私は、あの日、ずっと家にいました。アリバイは完璧です」

私は刑事に、平然とそう答えた。
犯行時刻、私は自宅でオンラインゲームに熱中していた。
ゲームのログには、私がログインし、数時間プレイしていた記録が残っている。

「ログを確認してください。私は一歩も外に出ていません」

刑事はログを確認し、静かに頷いた。

「ええ、確かにログは残っています。ですが、お宅の防犯カメラの映像と、矛盾する点がありまして」

刑事が防犯カメラの映像を取り出した。
そこには、私がゲームをプレイしている最中の、私の部屋の様子が映っていた。

「……あ、これ、何?」

映像の中で、私がゲームをプレイしている背後で、もう一人の私が、私をじっと見つめていた。

「この映像、あなたがゲームをプレイしている間に、もう一人のあなたが、あなたの部屋に忍び込んでいた。そうでしょう?」

私が「アリバイ」だと思い込んでいたログは、もう一人の私が、私のフリをしてゲームをプレイしていた記録だったのだ。

(完)

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