-7秒間の再会-
「人は、七秒間目が合うと恋に落ちるらしいよ」
高校の屋上で彼女が笑って言った言葉を、僕は十年経っても覚えていた。
そんな訳ない。僕たちは三年も一緒にいて、何万回も目が合っていたのだから。
雨の駅のホーム、反対側に立つ女性と目が合った。
一秒。お互いにハッとする。
三秒。懐かしさが込み上げる。
五秒。彼女の瞳が潤み、僕の足が動こうとした。
七秒。電車が二人の間を遮った。
「……本当だったな」
走り去る車両の向こう、彼女はまだそこに立ち、僕を真っ直ぐに見つめていた。
(完)


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