殺人的な給水
「喉が渇いた……」
路地裏に倒れ込んだ僕に、
現代人が差し出したのは
一本の透明な棒。
「水だよ」
受け取って絶句した。
重い。
それに、外殻が『プラスチック』という
古代の環境破壊物質でできている。
恐る恐る口をつけると、
液体がドボドボと流れ込んできた。
「嘘だろ。直飲みかよ!
肺に水が入ったらどうするんだ」
未来では、水分はナノミストで
皮膚から吸収するのが常識だ。
溺死の恐怖と戦いながら飲み干すと、
現代人は笑って言った。
「おかわり、いる?」
この時代の人間は、
毎日命懸けで水分を摂取しているらしい。
(完)


コメント