【第12回】大人の境目、大人の正体

いきなりなんですけど。

はい。

私も宇宙人なんでしょうか?

いきなり来ましたね。

どう見えてるんですか。オレンジャーさんには?

そうですね。宇宙人や地球人云々の前に、常識だとか、世間のあるべき姿からは、明らかに外れてる人だと思います。

それって悪口ですよね?

世の中の人ってやっぱり、仮面を被ってとりあえず合わせないと生き辛かったりするんですよ。

生きづらい?

はい。心の奥底に不安感とか恐怖心があって、仮面を被って世の中に合わせる人が多いんですけど、安田さんはお会いしてから一度もそれを感じたことがない人です。

だから浮いちゃうんですかね?

シンプルに言うと、小学校1年生2年生のまだ世の中のこと知らない子が、目の前のことに対して素直に質問したり、発言したりしてる感じ。

小1ですか。かなり幼いですね。

幼いというか、素直なんですよ。で、何星人ですかっていう話なんですけど、正直2つあるんです。

ほう。

1つはリラ星人。彼らはいろんな経験をしているので何が起ころうとも基本的には想定の範囲内。

小1なのに経験が豊富なんですか?

経験が豊富だからこそ、枝葉には興味がないんですよ。だから、どうでもいい細かいことを、とやかく言ってくる人には正直ジブンを合わせられない。

確かに。そういう人は苦手です。

本質的なこと以外には興味が持てないんですよ。

なるほど。

もう1つはゼータ・レクチル星人。

ややこしい名前ですね。

こちらは、非効率的なことを全て手放してるタイプ。徹底的な効率主義。

え〜?私は効率主義ではないですよ。

彼らは結果的に感情とか、生殖活動とかまで手放して、クローンを生み出して、ひたすら生産性を追求してます。

確かに私はかなりの面倒くさがりですけど。でも面倒くさいからってクローンはさすがに嫌ですよ。

僕の見立てでは、いろんなことを経験されてきた、ある意味、達観している領域に入っている魂のように見えます。もしかしたらチベットとかで僧侶になっていてもおかしくない。

なんと!チベットの僧侶ですか。

はい。

いやいや。もっとドロドロしてますよ。少なくとも若い頃はドロドロでした。

でも、当たり前のことを、当たり前に言える強さをお持ちですよ。

それって言い換えれば、単に空気が読めない失礼なヤツじゃないですか。

(笑)

ちなみに私もオーラとかあるんですか?

あります。もちろん。

色もついてますか?

はい。見てもいいですか?

どんな感じですか?

結構、不思議なオーラをされてますね。

やっぱり変ですか?

普通の人って何となく全体の色が決まってるんですけれども、安田さんはレインボーなんですよ。いろんな色が混じっている。絵の具をぐちゃぐちゃ混ぜた感じ。

え〜ぐちゃぐちゃなんですか。なんか嫌ですね。

絵の具は混ぜると黒っぽくなっていくんですが、光は、混ぜるとどんどん白くなっていくんです。だから、ぐちゃっとした濁ってる感じではないので、心配しないでください。

なるほど。ちなみに「見ていいですか」って、おっしゃってましたけど、勝手に見ちゃいけないというルールがあるんですか。

見ると先入観が入って、いろいろ考えちゃうので、僕は極力見ないようにしています。以前は面白がって見ていたんですけどね。

ということは、見ないようにもできるってことですか?

できます。ステレオグラムってご存知ですか?

あの点々のやつですよね。ひと昔前に流行った。

そうです。点々を俯瞰で見てると突然立体の絵が見えてくるという。あの視線の合わせ方と基本的には同じなんですよ。

なるほど。ひとつ聞いてもいいですか?もしかしたら、オーラとは全く関係ないかもしれないんですが。

はい。何でしょう?

よく人に「年齢がどこかで止まってる」って言われるんですよ。老けないという意味ではなく。

安田さんご自身がってことですか。

はい。さっきも小学生で止まってるみたいに、おっしゃられてましたけど。

ちなみに、おいくつなんですか。

53です。

確かにお若く見えると思います。

若く見えるのは嬉しいんですけど。

何が問題なんですか?

自分が「大人になったと感じた瞬間」がないんですよ。人生に。

面白いですね。

20歳になるとか、結婚するとか、子供ができるとか。じつは、ついに孫までできたんですけど。

ええっ!!お孫さんいらっしゃるんですか?

はい。なのにまだ「大人になってない」という感覚があるんですよ。さすがにそろそろ「もう大人だと認めてあげてもいいんじゃないか」って気もするんですけど。

安田さんにとっては、どういうのが大人のイメージなんですか?

「人にどう思われるか」ということが、最近だんだんと気にならなくなってきまして。

はい。

それが自分の中では「大人になっている」というか「精神的に成長している」ってことなのかなと思ってまして。

それは「達観してきてる」ということですね。

それは通常の「大人になる」というのとは違いますかね?

違いますね。通常の大人の概念は、経験値が上がるに従って「世の中の当たり前や常識」をどんどんわきまえていく人だと考えています。

気にしなくなるのではなく、逆に周りを気にするのが大人ってことですか?

通常は、子供の頃にはそういったものがなくて、大人になるにつれて、そのチューニング力がどんどん高まっていく。

なるほど。私はかなりチューニングがズレてそうですね。

通常は、社会的な影響力とか、他の人と比べてどうだとか、そういうことを優先するようになるので。

私の場合は優先順位がそもそもズレてるんですね。

ズレてるというか、いわゆる本質に目覚めている人たちは、子供の頃以上により素直になっていくんでしょうね。

それは悪いことではないと?

僕は真の成長ってそこにしかないものだと思っています。まあ、そういう人は、いまの世の中にはほとんどいませんけど。

経済的に自立してて、家族もちゃんと養えて、社会的なルールを守って、というのが大人だっていうイメージがありますよね。

多くの人が持つ「大人像」はそういうイメージでしょうね。

でもそれでいくと、ちゃんとルールを守ってお金を稼ぐ中学生だっているわけで。じゃあその中学生は大人なのかっていうと、どうなんだろうって思います。

大人という感じではありませんね。

経済力があるのと、大人かどうかって、全然関係ない気がするんですよ。

「一人前の大人=経済的に自立している人」という図式は、多くの人の頭の中にありますけどね。

「確かに稼いではいるけど、俺って大人と言えるのかな?」って、なぜもっと皆さん疑問を抱かないんですかね。

おそらく洗脳されているんだと思いますね。

洗脳ですか?

はい。大人っていう概念そのものが、洗脳されている感覚があります。

なるほど。おもしろい。

大人にならなきゃいけないとか、そういう基準を設けていること自体がナンセンスだと思います。

確かに。大人って何なんでしょう。

法律的にいえば20歳であるとか、選挙権であるとか、お酒飲める飲めないという基準は明らかにあるんですけど。

でもそれって「大人にならなきゃ」という時の大人ではないですよね?

違いますね。その境目を定めるのは相当難しいんじゃないかな。

もしかしたら、本当の意味で大人なんていうものはいなくて、「今の社会のルールに完全に適合した人」を大人と呼んでるだけ、という感じもします。

そうですね。社会の仕組みを作ろうとしている人たちにとって、都合のいい存在を大人と呼ぶのかもしれません。

子供のような大人が増えていったら、そういった人たちは困るんでしょうね。

ものすごくコントロールしにくくなるでしょうね。

でも欧米とかは、ちゃんとした大人が多いようなイメージがあるんですけど。

教育の差はあると思います。欧米の教育って、アイデンティティ教育ですから。

アイデンティティ教育?

「私は何者であるのか」ということを、小中学生から徹底的に考えさせられるんですよ。

日本は違う?

日本の教育というのは、あくまで決められた正解があって、それを記憶して実践するというのがゴールですから。

なるほど。ということは、日本と欧米とでは、そもそも大人の基準が違うと?

全く違いますね。自分の答えを持っているというのが、欧米の大人の概念。社会に共通する正解をわかっていることが、日本の大人の概念。

なんか嫌ですね。製品みたいにパッケージ化された大人というかんじ。

まあ、文化の違いもありますよ。西洋文化は自立と自己責任ですから。

確かに。主語がアイですもんね。

その意味でいうと、日本文化は宇宙人に近いです。宇宙人の主語はウィー(We)なので。

なんと!

<第13回へつづく>

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