【第8回】死ぬことと消えること

この前、オレンジャーさん死にかけましたよね。事故で。

はい、もうだいぶ前の話ですが。

どこで死にかけたんでしたっけ?

青森県下北半島の奥にある仏ヶ浦という場所です。

波に襲われたんでしたっけ?

はじめはそういう感覚だったんですけども、あとで確認して見たら、体が全く濡れてなかったので波ではなかったんでしょうね。

波ではなかった?

はい。元々恐山に行こうとしていて、でもまだ山が開いてなくて行けなかったんですよ。で、その土地のおじさんに「仏ヶ浦っていう場所があるから行ってみれば」って教えて頂いたんです。

ほう。

で、せっかく教えていただいたんだから、仏ヶ浦まで行こうかってことになったんです。下北半島の斧の形の真ん中の辺りなんですけど、ずっと車で下北半島を周りこまないといけないんで、陸奥からでも結構な距離なんですよ。

なかなか大変そうですね。

はい。で、ロングドライブして現地に行ってみました。駐車場に車を置いて、長い階段を下りて行って、海辺まで行ったわけです。

波は荒かったんですか?

波は多少荒かったんですけど、危険な感じは何もありませんでした。岩場のところで彼女と2人で記念撮影をしていた時に、海側から「やばい!大きな波が来る」っていう気配がしたんです。

おお!それで?

それで「本当にやばい」って叫んだ瞬間、記憶がなくなって。

記憶がなくなった?

はい。それで次に目を開けた時には、目の前に、血だらけになって倒れている彼女がいたんです。

血だらけの彼女?怖すぎますね。

彼女も始めは気絶してたんですけど、すぐ気がついて。僕を見て「ぎゃー!」って叫んだんですよ。

もはやホラー映画ですね。何があったんです?

「オレンジャーさん、頭から脳みそ出てる!」って言われて。

出てたんですか?

触ってみたら「何かあるな」という感じで。「あ、本当だね」って。

ちょっと冷静すぎませんか?

いやいや。僕は動転していて「とにかく波打ち際にいたらやばいから」と、彼女を背負って行こうとしたら「動いたらダメ!」って。

だって、脳みそ出てたんでしょ?

彼女の方が冷静で「とにかく携帯電話貸して」って救急隊を呼んで。

救急隊はすぐに来たんですか?

へき地だったので、来るまで1時間半ぐらいかかったと思います。

間に合ってよかったですね。

はい。救急隊が来て「首が折れてる可能性があるから、絶対に動かしたら駄目だ」って。

 首が折れてた?崖から落ちたんですか?

いや、落ちてないです。

崖の上だったんですか?

崖というか岩場ですね。波打ち際から5メートルぐらい手前の岩場。海をバックに写真を撮ろうとしていたところまで覚えてます。

5メートルも離れてたんですか?

はい。

で、気づいたら倒れたいたと。

倒れてて血だらけになってました。

脳みそも出てた。

はい。でも、実際は脳みそではなくて、ちぎれた耳の一部だったようです。服は漏れていませんでした。

前回の話に出て来た「エネルギー利権」がらみの暗殺じゃないですか?

確かに!。その流れは、全く考えていませんでしたけど。(笑)。

僕だったら、まずそれを絶対疑いますけど。(笑)

その後病院に運ばれて全身検査したところ、頭がかなり切れてて、耳が裂けていて、首が折れてたっていうわけです。

もの凄い重症じゃないですか。でも全然そんなふうに見えませんね。ちょっと前まで脳みそが出てたようには見えない。

全治6カ月の診断だったんですけど、1ヶ月半で完治しました。

なんと!1ヶ月半で?

はい。首の骨まで繋がりました。

・・・で、犯人は判明したんですか?やっぱり陰謀でしたか?

一応事故っていうことで届けたんですけど、警察には凄く不審がられました。

そりゃあそうでしょう。だって濡れてないんですもん。どう見たって事件ですよ。

濡れてないのもそうですし、切れ方とか、ぶつかり方とか、折れ方がおかしいって。

事故にしては不自然だったということですか?

2方向から同時に力がかからないと、こういう折れ方はしないって言っていました。バットかなんかで殴られたような力のかかり方してるから、誰かに襲われたはずだって言うんです。

やっぱり。

でも、岩場にはぼくたち2人しかいなかったんです。絶対に。

警察は信じてくれました?

結構しぶしぶでしたけど。警察も事故で処理してくれました。

で、どうだったんですか、結局。その事故の原因は。

事故原因はその後、福岡でいつも見てもらっているスピリチュアル整体の先生に教えてもらいました。

スピリチュアル整体の先生?

はい。ズレたまま首が繋がると嫌だったんで。チューニングしてもらいに行きました。で、その先生も大事故で寝たきりの人生を何年も過ごされていて、壮絶なリハビリの結果、元に身体を戻されたんですけど、そのプロセスで特殊な能力が開花して、霊とかが分かるようになったらしいんですよ。

霊の仕業だったと?

はい。いくつかの霊体が、まだくっついていると言われました。現場に行ったわけじゃないから100%とは言えないけど、たぶん相当な数の霊体にやられたはずだって。

霊による集団暴行?

言われてみればたしかに「一斉に襲われた」みたいな感覚でした。その気配を波と捉えて、波に襲われた感覚になったんじゃないかと、その先生はおっしゃってました。

先生は誰にでもそんなこと言うんですか?

あ、どうなんでしょう。でも僕だから死ななかったと、その先生は言ってました。

その霊の集団は、なぜオレンジャーさんを襲ったんですか?

分からないです。だから完治した後に、もう1回同じ場所に行ったんです。

勇気ありますね。

現場検証したかったんです。僕も違和感があったから。

それは、どんな?

岩場にひっくり返っていたのに体に擦り傷がほとんどないんです。ちょっと転んだだけでも凄い傷だらけになりそうな岩場だったんですよ。でも頭にしか傷がない。まるで180度ひっくり返されて、ぼんって落とされたような感じ。

180度ひっくり返されて?落とされた?

はい。それと、もうひとつ。

何ですか?

これは彼女から聞いた話で、僕は記憶がないのですが。

はい。

2人のカップルが20メートルぐらい距離を置いてずっと付いて来ていたと。

おお!怪しい。

これだけの大怪我をしたわけだから、普通だったら近寄ってきて「大丈夫ですか」とか「救急車呼びましょうか」となるじゃないですか。

はい。普通は。

それなのに、とにかく20メートルの距離を置いてずっと付いて来て。僕たちが1時間待ってる間もずっと見ていたと。

でもオレンジャーさんは見てないんでしょ?彼女の幻覚だったとか?

それが、救急隊の方も見たって言うんですよ。あの2人は何ですか、知り合いですかって聞かれて。「いや違います」って彼女は答えたそうです。

で、どうなったんです。その人たちは。

僕たちが運ばれるのを見届けて、去って行ったそうです。

謎のカップル。エネルギー関係ですね。

いや、宇宙人関係だと思います。(笑)

宇宙人関係?

「ずっと観察されてたんだよ」と彼女は笑いながら言ってました。僕はその2人をちゃんと見てないので分からないですけど。

でも、あれでしょ。いきなり襲って来たんでしょ。なんで宇宙人が・・・

たぶん何か理由があったんだと思います。実はその出来事の前に長期休暇をとって3週間でお遍路歩き(走り)をしていたんです。

お遍路歩き?四国の?

はい。それでお遍路が終わって、すっきりした気持ちで「よし、また仕事頑張るぞ」みたいに思ってがつがつ仕事を入れていたら、頭割られて仕事ができない状態になってしまいました。

宇宙人はオレンジャーさんに仕事をして欲しくないと?

そうそう。少なくともこれまでと同じようなスタンスでの仕事はNGだということなんでしょうね。結果的にこの事故があって、仕事もリセットされ大きく変化しました。

感謝していると?

痛かったし、もう二度とこういう乱暴なやり方はしてもらいたくないですけど。

じゃあ、善意の集団暴行だったかもしれない?

宇宙の同志が、手を変え、品を変え、教えてくれたのかもしれませんね。首が1カ月半で繋がったのもかなり不思議ですし。

オレンジャーさんが金の亡者になるのを止めてくれたわけですね。

そうかもしれません。(笑)

因みに「動揺した」と言ってましたよね?

はい。ビビりました。

死んだ後の世界まで知ってるんだから、今更死んでも驚くほどのものじゃないと思うんですけど。そういう意味ではどうなんですか、死ということに対しては怖いんですか?

死そのものに関しての恐怖心はない方だと思います。0とは言いませんけど薄いと思います。ただ恐怖のある領域が1つだけあって、それは自分意識が完全に消滅するみたいな感覚です。

自分意識が消える?死んだら普通、消えるのでは?

死んだ時にちゃんと魂が抜けて、転生をするってことになれば、自分意識は不滅なのでちゃんと残っています。だから消滅という恐怖は無いんです。

自分意識は不滅。だから怖くない?

はい。ただ、ずっと不滅でいられるかというと、そうじゃないんです。「存在意識そのものが消える」みたいな感覚に陥ったことがあります。自殺体験の時なんですけど。

自殺体験の時?存在が消える?

はい。首吊った瞬間って苦しいじゃないですか。

いや、私には分かりませんが。まあ苦しそうですよね。

苦しいの後、ちょっと楽になるんですよ。それで楽になった時に、だんだん自分の思考とかが狭くなっていって、どんどん小さくなっていくんですよね。

小さくなっていく?

遠くで見てるような感じになっていくわけです。だんだん小さくなっていって、一粒の点ぐらいまでになって、これ消えたら、「あ、自分消えるな」って感覚がありました。

自分が消える・・・

はい。そこには絶対的な恐怖があって、すごく怖い。「自分の存在そのものがこの世から消え去る」という体験なんですけど、これは二度としたくないです。

でも「普通の人間にとっての死」ってそういうものですよね。

消えると思っているだけです。普通の人の死は、寝ることにすごく似ていて、寝る瞬間は誰でも一瞬意識が消えますが、そのあと夢とか寝ている自分を認知できますよね。あんな感じです。でも消滅をしてしまうと、寝た後一切のジブン認知がない状態に陥る感じだと思います。だから怖い。

宗教とかを心から信じている人以外は、一般的な日本人は「死んだら無になる」と思ってますよ。

でも、実際は違う。本当に怖いのは「死の恐怖」よりも「消える恐怖」です。

オレンジャーさんはその恐怖を体験したと?

その一歩手前です。あの先は怖くて行けない。

どういう人が消えるんですかね。どういう場合それが起こるんですか?

あそこを越えるためには、自分が覚悟を決めて許可しないとたぶん越えられないと思います。

自分が許可する?

自分という意識が、この世の中から完全に消えてもいいという許可です。

ということは、自分が望まない限り消えたりはしないと?

おそらくは。何かの強制力であの領域を越えていくのは、あり得ないと思います。でも今でも凄く覚えてますけど、あれはもう絶対的な恐怖なんです。

<第9回へつづく>

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