死ぬ間際って、記憶が一気に回想されるっていうじゃないですか?
人生の回想録みたいなものを観るってやつですね。
あれは、どういう仕組みなんですか?死ぬと全員、必ず見るんですか?
脳って映画の映写機みたいなものなんですけど、死ぬ瞬間その構造が外れるんですよ。
映写機? 構造が外れる?
普段は時間軸に沿って映像を流しているので、ストーリーが展開するように見えるわけですが、その時間の概念がなくなるということです。
すると、どうなるんですか?
すべての映像を、一気にスライドで「ばんっ」と見せられるような感じになります。
一気にスライドで?走馬灯じゃなく?
よく言われているような、走馬灯のように流れていくわけじゃないです。
幼少期から順序正しく流れるわけではない?
全部いっぺんに見せられる感じですね。たくさんのスライドが一度に表示される感じです。
そんなに一気に出てきて、ぜんぶ把握できるんですか?
その瞬間は、知覚とかもう超越しているので、把握するという認識はないですね。
把握するという認識がない?
人生での大事なこととか、特に印象深いところは、ある程度強調されていたりします。でも見せられているのは全部なんです。
ぜんぶ?いっぺんに?
はい、そうです。実を言うと、普段この状態でも見えてるんですよ。
え!そうなんですか?
はい。
人生のシーンがぜんぶ見えてる?
見えているというか、あるんですよ。
ある?
あるけど見えないという。
あるけど、見えない?
脳の作用というか、3次元的な作用で「見えなくさせらされている」という感じです。
ということは、服部さんはその「自分の人生のそのスライドショー」をいつでも見れるんですか。
実際に見せられたことがあるんですけど、枚数が多すぎて、どこにフォーカスしていいのか分からない。
どんな感覚なんですか?
「別世界の映画」を見ているような感覚に陥ります。
別世界の映画ですか。
比較的現実に近い、パラレルワールドみたいな映像とか、わけの分からない未来とか。それが地球上のものなのかどうかも実は良く分からない。
地球上じゃない?
地球上の過去や未来も含まれているし、宇宙のどこかのイメージみたいなものも降りてくる。
ぐちゃぐちゃなんですか?
時系列も、場所とかもバラバラなので、整理をするのがとても大変なんです。
そういう情報って、自分の脳みその中に閉じ込められてるんですか?
脳みそを通じて繋がっている感覚ですね。脳みそにあるわけじゃない。
なるほど。
脳がチューナーみたいな役割になって、映像を見せているような感覚があります。
死んだあとは、ずっとそれが見え続けるんですか?
見ようと思えば、見続けられると思います。ただ膨大ですけどね。
その映像は、全員が見えるんですか?
見えているんですけど、見ようとしていない方がほとんどですね。
見ようとしないと、見えないんですか?
たとえば、何かの執着に捉われている人は、目の前のモノすら見えていなかったりします。
見えているけど見ていない?
意識がそこに向かっていないんです。
たとえば車に乗ってて、突然事故に遭って即死するとしますよね。
はい。
その場合、どこから始まるんですか?「あれ、俺死んだのかな」ってとこですか?それとも、いきなりスライドがバーンって見えるんですか?
突然の事故の場合は、まず、心の準備ができていないという状況が意識に作用します。
そういう場合は、どうなるんですか?
死んだ直後は、まず「自分が死んでいる」状態が分かっていないケースが多いです。
分かってないと、どうなるんですか?
死んだって気づかない人もたくさんいて、その人たちは結局その場所にとどまったり、現世で生き続けようともがいたりします。
幽霊みたいになるってことですか?
はい、地縛霊化していくケースもたくさんあります。
地縛霊?じゃあ、ずっとそのままってことですか?
いえ、あるタイミングで「本当に自分は死んだんだな」って、腑に落ちると、あっちの世界にいく動きが始まります。
それはどんな動きなんですか?
いわゆる先ほどからお話している人生の回想録的なものが始まる感じです。
なるほど。じゃあ突然死の場合は、ちょっと遅れてしまうと。
突然死んじゃった場合は、そういうことがありますね。
普通の死に方だったら、まずそんなことはない?
寿命とか自然死の場合は、自分で「ああ、もう死ぬんだ」って分かりますから。
そろそろかな、みたいな。
その準備ができている人は、いわゆる生と死の境目に、バーっと人生スライド集を見せさせられることが多いです。
じゃあ「ご臨終です」って言ってるあたりで、見えている感じですか?
はい、そうです。ただ、よく臨死体験とかで見るやつは、刷り込まれているものが多いです。
刷り込まれてる?
はい。死ぬ時にそういうことが起こるって、僕らは結構、刷り込まれているじゃないですか。
確かに。三途の川とか。
そういうのは、どちらかと言うと「現実で見てる夢」に近いです。
なるほど。では臨死体験と本当の死はかなり違う?
本当に死ぬときも「どこからが死か」っていうのはすごく難しくてですね。。。
それは、本人が自覚するのが難しいってことですか?
はい。まず、呼吸が止まり、そして心臓がとまって、魂が外れて、自分が本当に死んだんだっていう、いくつかの段階を上がっていくんですけど。
スライドが見えるのはその後ですか?
いわゆる肉体と繋がっているところが、ばーんって切れた時。ここから完全に魂領域で、切れた瞬間に脳の縛りが外れて、アクセスできるようになる。
アクセス?
アカシックレコードというんですが、すべての情報にアクセスできるようになる。
すべての情報?
はい。で、アクセスした瞬間に「何だ、これは」みたいな形で見えてくる。
なるほど。
準備ができてる人はスムーズに見えます。突然死とか執着とかで、生きている思い込みが消えない人とかは、その意識に邪魔されてなかなか見えない。
執着って怖いですね。
怖いですよ。
ちなみに事故の時って、スローモーションが見えるって言うじゃないですか?
時間が遅くなるのはありますね。事故で吹っ飛ばされて、その瞬間スローモーションのようになっていく。
それは、死んだあとに見える映像とはまったく別物ですか?
まったく別物ですね。スローに見えるのは多分、生存本能であり、生体反応の一種です。
生存本能?
普段、閉じている感覚が開く感じ。死を目の当たりにした時に「自分を救おう」という生存本能。
火事場のバカ力みたいな?
そうです。知覚力が跳ね上がって、3コマぐらいで見ていたものが3000コマぐらいに見えてくる。
実際、それによって事故を回避できるんですか?
いや、難しいと思いますよ。認知できたところで、3次元的に筋肉を動かす作業が間に合わないですから。分かっているのに避けられないって感じです。
じゃあ、遅く見えたって、ぜんぜん意味ないじゃないですか。
確かにそうですね。残念ですが。。。
<第25回へつづく>
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