最近、死とか病気とかの話ばっかりですね。
はい。
なので今日は、もうちょっと明るい話題でいきたいと思います。
是非!
今日のテーマは「宇宙人の食事」についてです。
すごい興味深いテーマですね!
人間って、いい所でもあるんですけど、ちょっと馬鹿馬鹿しいことをするじゃないですか。
たとえば?
たとえば旅行。日本人がイタリアに行ってる間に、イタリア人が日本に来てたりとか。
なるほど。確かに宇宙人目線から見ると変な行動に見えますね。
あとは料理とか。こんなにたくさん食べ物があるのに、固くて食えないスネ肉を、わざわざ3日間ぐらい煮込んで食べたりとか。
どちらも人間らしい行為ですが、よくよく考えると奇妙な行動ですね。
文化みたいに言われてますけど、なんか馬鹿馬鹿しいようにも感じる。で、高度な生命体である宇宙人はどうなのかな?と。
まず、旅行について言えば、宇宙人は結構好きですね。
宇宙人も旅行するんですか!
楽しむための旅行もしますが、観察目的の旅行の方が多いですね。
観察目的?
もともと好奇心が強いことに加えて、「進化しすぎたが故に、リアル感が感じられない」部分を、観察することで疑似体験するような感じです。
宇宙人はみんな、好奇心が強いんですか?
はい、その中でも特にゼータレクチルっていう種族は、未開の文明にすごく興味がありますよ。
それはどうして?
彼らは「生殖行為によって種族を残す」という機能を、進化の過程でなくしてしまったんですよ。
え!生殖行為をやめた?
増殖に関しては、遺伝子工学でクローンを生み出すんですよ。
クローン?
はい。だから彼らの世界では、未開の文明において「どうやって子孫を増やすんだろう」ということに強い興味があります。
そのために旅行するってことですか?
それを知りたいがゆえに、わざわざUFOに乗って観察に来たりとかしています。
なんか、覗きが趣味のおっさんみたいですね。
確かにそうです。料理についても、単に食事を楽しむというより「エネルギーを効率よく取り出すために、どういう工夫ができるのか」探求する感じですかね。
料理というより科学ですね。
たとえば、シリウス星人って種族は、凄く効率性や生産性を重視するんですよ。
効率性?
はい。だから、小さな物質の中から「どうやって効率良くエネルギーを取り出すのか」みたいな方向に意識がシフトするんです。
もはや料理とは言えないですね。
「味わう」とか「楽しむ」とか、そういったのとはちょっと違いますね。例えれば「カロリーメイトのさらに凄いやつ」みたいなものを作っていく感じ。
宇宙人って、みんなそんなに合理的なんですか?
僕たちに近い領域の宇宙人もいますよ。たとえばプレアデス星人。
プレアデス?
プレアデスの種族は、僕たちにとても近くて「味わいを楽しんだり、見た目を楽しくする」ってことを喜んでやります。
おお!人間っぽいですね。
そうです。「ただただ楽しむ」っていうようなところに、凄く意識を合わせて生きている感じがします。
でも楽しむために食べるのって、どうなんですかね?
と言いますと?
たとえば動物って、生きるために食べるじゃないですか?
そうですね。
だから病気にもならないのかなって、思うわけです。
その通りだと思います。
ですよね。ということは、料理するという行為自体が「ルールを逸脱してる」気がするんですけど。
確かに!地球上の生態系を俯瞰してみると、おっしゃる通りだと思います。
やっぱりルールを逸脱してますか?
はい。生態系というのは、私たちの個々の視点では見えないルールとして与えられているわけです。この生態系の中では、人類は本来のルールから大きく逸脱していますね。
ですよね。特にフカヒレスープなんて。
フカヒレスープですか?
ほとんど栄養もないし、味もないんですよ。わざわざ干したものを、また戻して、そこに味をつけて食べてるんですけど。
なるほど。
あれぐらい馬鹿馬鹿しいことも、宇宙ではやるんですか?
人間の場合、フィクションって言えばいいのか、「幻想を楽しむ」っていう変わった性質があるんですよ。
幻想を楽しむ?
はい。「これが美味しそう」であるとか「これが凄い」であるとか、そういう幻想。
それって幻想なんですか?
たとえば、シリウス星人だったらこんなこと絶対にやらないですよ。栄養がないし、そこに楽しみとかを感じないんで。
シリウスは合理主義ですからね。
プレアデスだったら、あるかもしれない。ただし、そこに何らかのアート性があればの話ですが。
アート性は、幻想とは違うんですか?
人間って、フカヒレを食べるときに「本当に美味しい」と思って食べている人は、ごく少数だと思うんですよ。
大抵の人は「味なんてわかりゃしない」ってことですか?
フカヒレって高級なもので「これを食べている自分って、なんか幸せじゃないかな」っていう感覚を楽しんでいる感じです。
なるほど。食材そのものではなく、それを「食べられる自分」を楽しんでいると
昔、家庭用ゲームで「僕の夏休み」というゲームがありまして。テレビ画面の中で魚釣りをしたり、セミを取ったりして楽しむっていう、不思議なゲームなんですけど。
はいはい。ありましたね。
かなりヒットしたゲームなんですけど。あのゲームの感覚と、フカヒレ料理と、よく似てるなって感じがします。
「ゲーム感覚で食べてる」ってことですか?
そのゲーム感覚が、ちょっとというか、かなり行き過ぎてる感じです。
行き過ぎてますか?
生存しなきゃいけない。でも生じゃ食べれない。じゃあ加工しましょう。ここで止まってれば、全然オッケーなわけですよ。
なるほど。
でも、それだけじゃ満足できない。これだと差が生まれないから。
差ですか?
自分は特別でありたいから「他人よりも凄い」とか「自分だけが食べられる」とか、歪んだ選民バイアスがかかっていく。
美味しさっていうのはどうなんですか?金持ちは、そもそも「美味しさ」を求めてるんじゃないですか。
たぶん、味わってないと思ってます。どちらかと言うと、頭で食べてる気がします。
頭で食べてる?
「美味しい、美味しくない」を、思考で判断してるってことです。
思考で判断してる?
つまり、思考で食べてるんですよ。
じゃあ、美味しいかどうかではなく、高いかどうか?
あるいは「凄い」と言われるかどうか。
確かに。お正月の芸能人を格付けする番組とか、そうですよね。
まさに、あれは典型ですね。
「どちらが美味しいか」ではなく「どちらが高いか」を当ててますもんね。
「値段が高い=美味しい=それが分かる人は凄い」という図式が刷り込まれてるんですよ。
味って何でしょうね?
味覚に限らず、地球人は五感をどんどん退化させているように思います。感覚を通じて世界とつながっているのに、その感覚が鈍くなっていったらますますリアルな世界とつながりにくくなるでしょうね
だから、ゲームの世界の住人なんですね
その通りです!
<第26回へつづく>
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